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私のトナカイちゃんのmanamiのレビュー・感想・評価

私のトナカイちゃん(2024年製作のドラマ)
3.9
「僕は彼女に紅茶を出しただけなんだ……」


ストーカー女のサイコっぷりを面白おかしく描いた話かと思いきや、後半から意外な展開で興味深い内容。数時間でさくっと見れて面白かった。


バーで働くコメディアン志望の主人公。そこにやって来たお金がないという女性に同情し紅茶を奢るが、その日から彼女は毎日バーを訪れるようになる…。

主役を務めているリチャード・ガッドが脚本も書いていて、この話は彼の実体験。(演じていてフラバしないのかな⁉️と心配になった😟)

かなりリアルに描かれているからこそ、大きな事件やどんでん返しがあるわけじゃない。
ストーカー=悪だからやっつけよう!という話じゃなくて、なぜ彼自身は彼女にここまでさせてしまったのか?野放しにしていたのか?ってところがこのドラマのポイントだったように思う。

だんだんと度が過ぎていく彼女に対して、なぜ強い言葉で拒否しないのか?なぜすぐ警察にいかないのか?わたしなら絶対こうするのに❗️😡
って思うことがたくさんあったけど、これ全部見終わった後は本当にそんな行動が取れるのか?と考えさせられた。
これはストーカー女の話ではなくて、主人公である彼自身の話だった。

もちろん彼女が精神的な病であることは明らかで、自己愛や人との境界線が曖昧なところは見ているコチラには分かりやすい。
でも本当にその場に自分がいたら?彼女と一度でも会話をして、"人"として認識してしまっていたら?と思うと、病気だ❗️と決めつけられる自信はないかもな…。

心の病という目に見えない物だから想像しても難しいことだけど、彼女の留守電や彼の行動には言葉では説明できない何かがあって、ラストもその余韻が残った。

ホラーでもサスペンスでもないけど、精神の病や心理学に興味がある人にはオススメ。
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