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ハングリー!のnorisのレビュー・感想・評価

ハングリー!(2012年製作のドラマ)
3.3
こちらも2012年に「鑑賞メーター」に投稿したもの。ドラマの楽しみ方についての考えは必ずしも今と同じではないが、向井理は今も同じような立ち位置にいる。松下奈緒の「デキ過ぎた女房」というのは「早海さんと呼ばれる日」のこと。また瀧本美織(当時21歳)は、この頃、見出されるべき女優だった。


別なところにも書いたが、しょせんテレビでしかないドラマでは、たいていの場合、役者は想定内の仕事しかしないし、見る側もそれを前提に予定調和を愉しむのがマナーである。

だから、松下奈緒が「デキ過ぎた女房」を演じ、ムカイリもまた「芽の出ない天才アーティスト」を演じた今季の同工異曲ぶりは、今に始まったことではない。
しかしムカイリの演技の一本調子なのは松下以上で、人気があるようでいてゲゲゲを超える代表作がなく、とても危うい感じがする。

本作単独で見る限り、作り手はムカイリの(演じる英介の)天才ぶりをもっとうまく使うべきだった。瀧本美織の崇拝者やゴローちゃんの宿敵を配したのは、そういう設定だからだろう。しかし、大森美香はやはり脚本に恋愛要素を盛り込んでしまい、国仲涼子と三角関係ふうになったりする意味不明の展開になって、結局中途半端に終わった。

結局、瀧本のジュニアな魅力(色気はゼロである)だけが見出されたドラマに終わった。なお、料理は毎回、旨そうだった。
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