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1リットルの涙のjunのレビュー・感想・評価

1リットルの涙(2005年製作のドラマ)
3.9
TVerにて名作ドラマを。
1ℓどころか10ℓぐらいの涙が出た。

このドラマの原作は木藤亜也さんご本人が14歳から綴った日記「1リットルの涙」、そして母親の潮香さんが書かれた「いのちのハードル」

世にはあまり知られていない病気
《脊髄小脳変性症》
このドラマで知った方も多そう。
私もその1人でした。

学校や近所の目が冷たくてしんどかった。病気になった人の居場所まで奪う様なことは絶対にあってはならないのに学校で亜也がいない間にクラスメート皆で介助の必要な亜也のことをどう支えるか、受験が近いこともあり亜也がいる事でどうしても授業のペースが遅くなることを気にしたり、みんな無理をしてないか…という話し合いを担任の教師が中心となってしているシーンは見ていて複雑だった。

唯一最初から最後まで亜也を特別扱いしなかったクラスメートの麻生君。

「お前らはずるい。あいつがいる時には平気平気!って親切にして、あいつがいない所でこんな話し合いをする。だったら最初から優しくするな」

彼の言ったことが全てのような気がする。

身体が思うように動かなくなって周りに迷惑をかけてるだろうなと心苦しく思っているはずなのに邪魔者扱いまでされたら私なら生きるのがしんどくなる。

結局亜也は設備の整った特別支援学校に転校することになるわけで…
8話エンドロールで流れたご本人の手記に涙。

"みんなが千羽鶴を折ってくれているようだ。一生懸命折ってくれている姿を目に焼き付けておこう。
例え別れても忘れない為に…
でもーー

『亜也ちゃん、行かないで』と
言って欲しかった“

たくさんの折り鶴を折ってもらうより優しい言葉かけをもらうより何よりそのたった一言が1番欲しかったという亜也さんの気持ちを聞くと胸が苦しくてどうしようもない。みんなと卒業したかっただろうな。

人間って時に残酷だなと思った。

一つ一つ自分でできることが減って行く。
歩くことも、書くことも、話すことも。
恋も諦めなくてはならない。

「お母さん、私結婚できる?」

こう書かれた日記を読んだらもう涙腺崩でした。私なら娘になんて言葉を返してあげられたかな。
こんなに酷な病気なくなればいいのに。


一緒に暮らすご家族がとてもとても温かくてそれだけは救いだった。

放送当時は観ていなかったけど
今回観る機会があって観てよかった。
決してハッピーな気分にはならないけど
不朽の名作と言われるのが分かる気がしました。

ロミオロメンの粉雪もまた名曲。
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