このドラマは完成度が高いわけでもないし、作品として素晴らしいというわけでもないのだが、昔から妙に好きで、繰り返し観ている。
大きくそこに関与しているのが、金城武の存在。カーウァイ育ちなので、金城武が日本で活躍していることが個人的に嬉しく感じていた。
また、この作品は非常にキャッチーな要素が多い中、HIVをテーマとし、メッセージ性が強い。
ちょうどこの頃の深田恭子より少し下の世代だった私は、この時代特有の10代の怠惰で退屈な気配を肌身に感じ、リアルさを覚える。
その中で真生（深田恭子）が、HIVに感染したこと、啓吾（金城武）と出会ったことで、人間として大きく成長し豊かになりゆく姿が良い。
そして何より真生の母親を演じる田中好子が素晴らしい。何度泣かされたことか。
女性としての美しさと母親としての深い母性が滲み出ていて非常に良かった。
更にイサム（加藤晴彦）。
チャラいのに根はいいやつ、情深く、それでいて明るく、涙もろい。
ハマり役だった。
恋愛のすれ違いやらすったもんだに、苛立つ場面も多分にあるが、なんだかたまにまた観たくなるドラマ。
