NAO141

秀吉のNAO141のレビュー・感想・評価

秀吉(1996年製作のドラマ)
5.0
1996年1月7日から12月22日にかけて放送された第35作目のNHK大河ドラマ。
原作:堺屋太一
脚本:竹山洋
主演:竹中直人
豊臣秀吉を主人公にした大河ドラマは1965年の「太閤記」以来、31年ぶり2作目となるが、この作品は平均視聴率30.5%、最高視聴率37.4%と歴代大河ドラマの中でも上位に位置する高視聴率を記録している。
この作品以降で平均視聴率・最高視聴率いずれも30%を越えた作品は(現時点で)存在しない。

自分自身もこの作品をリアルタイムで観ていたが、実はこの作品は自分の人生を変えてしまった作品である。
当時勉強が大嫌いで外で遊び回る1人の少年(自分)だったが、両親が観ていたこのドラマを一緒に観るうちに「このドラマ面白い!=歴史って楽しい!」と感じた。
民放ドラマも「次回はどうなる?」とワクワクさせるが、大河ドラマの場合、もとが《歴史》であるため「次回はどうなる?」と気になるのであれば、先の展開(史実)を自分で調べてしまえばいいわけである。
そんなわけでいつの間にか歴史を1人勉強し続け、気がついたら大学も史学科に進学している程になっていた笑
大河ドラマ「秀吉」、恐るべしである。

このドラマ、見所がたくさんある。
一言でいえば
戦国時代版:サラリーマン出世物語
であるが、その他にも
☆上司(信長)と部下(秀吉)の関係
☆母子の愛(親子関係)の物語
☆兄(秀吉)と弟(秀長)の物語
☆友情物語(秀吉と五右衛門の関係)
☆昇る秀吉、堕ちる秀吉
☆真の幸せとは!?     等

本能寺の変の起こる第30話までが秀吉の出世物語である「明」だとすると、その後第31話以降は堕ちていく秀吉像がメインの「暗」の物語になっていく。
天下人となり、何もかも手に入れた後、トップに長く君臨し続けた中でやがて暴走が始まり、自身も堕ち、家族や友人関係までが崩壊していく後半はとても複雑な気持ちになる。天下人ゆえの孤独、そして真の幸せとは何なのか!?を強く考えさせられる作品である。
有名な「露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速の事も 夢のまた夢」という秀吉の辞世の句に、彼の人生のすべてが詰まっているといえよう。

この作品、主演の竹中直人も素晴らしいがその母(大政所)を演じる市原悦子が本当に素晴らしい演技をされている。
また私にとって織田信長といえば渡哲也というくらいイメージにピッタリで、今後も渡信長を超える形の《信長》は出てこないのではないか、というくらい強烈だった。
あの本能寺の変での自害のシーンも凄過ぎた!!!! 
NAO141

NAO141