Ayumi

ブルックリン・ナイン-ナイン シーズン8のAyumiのレビュー・感想・評価

4.0

黒人差別やLGBTQへの差別などアメリカ社会の問題を描いてきたこのドラマ、最終シーズンもジョージフロイドの事件に目を背けなかった。この一点だけでも信頼できるのに、女性の働き方や「みんなハッピーエンド」な描き方にも一石を投じた。素晴らしいと思った。

S8E1で黒人女性をハラスした警官に対する処分をジェイクとローザは求めるが、署長が「労働組合が〜裁判が〜」と長々と言い訳を並べ立てる。このシーンが、BLMに対する白人の反応そのものだった。そして最後に署長が言う。「裁判が起これば、私のような『いい警官』が辞めることになる。それはみんなが望んでいること?」

IMDbではこのエピソードは批判されているようで、「私たちはコメディを見たいのに、なぜ説教されなければならないのか」というコメントを見た。けれど、作品は社会から切り離せない。このドラマの姿勢は、E6でホルトが言うセリフに詰まっていると思う。「警官が間違ったときに処分を拒んだらどうなるか?コミュニティでの信頼を失い、それによって市民は捜査や証言に協力しなくなってしまう。犯罪者やギャングよりも警官を恐れるようになる。我々を敵として見るようになり、より対立や不信につながる」

ブルックリンナインナインは、フレンズへのオマージュがところどころに見られると思っていて、ジェイクが父親の不在に悩むところはチャンドラーだし、エイミーの整理整頓好きはモニカそっくり。そして二人の結婚式は5月15日(チャンドラーとモニカと一緒)。このシーズンも、ジェイクとダグ・ジュディがクイズ対決をして、最後のシーンではおなじみの場所に全員が並び立つところもそっくりだった。が、子どもと過ごすためにジェイクが刑事を辞めること、エイミーが昇進するところはこのドラマらしいなと思う。
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