福福吉吉

さよならぼくたちのようちえんの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
幼稚園に通うカンナたちは近々、卒園式を迎える予定だったが、その中でヒロムが病院へ入院し、幼稚園に来なくなってしまう。カンナたちはヒロムに会うため、幼稚園を抜け出し、病院に向かうのだが...。

とにかく、カンナたち5人の保育園児たちが電車やバスなどを乗り継ぎ、悪戦苦闘しながらヒロムのいる病院へ行く様子が丁寧に描かれており、その姿を観ているだけで気持ちがほっこりします。カンナ役の芦田愛菜(当時6歳)を始め、子供たちが本当に演技っぽさの無い自然な感じで演じていて、素晴らしかったです。

また、子供ならではの横道に逸れたり、喧嘩になったりといった姿も描かれていました。その中で親の何気ない一言を子供たちがちゃんと拾っていることが分かる場面があり、心臓を鷲掴みにされるような怖さがありました。

大人たちによって伏せられていたヒロムの幼稚園に来れない理由を既にカンナたちは理解していて、「何があっても絶対に泣かない」というルールを決めており、子供ながらも真剣に考えた行動であることが分かり、心にグッとくるものがありました。

一方、5人の担当の保母であった吉木真理(満島ひかり)は、仕事への情熱を失っていたが、5人の行方を追い、一人一人と話すことで心情が変わっていく姿も描いています。子供たちの思いが吉木に見事に伝わっていき、終盤の吉木の行動に結びついたときは「よくやった」と思いました。

非常に面白かったです。

鑑賞日:2022年10月20日
鑑賞方法:BS/CS 日本映画専門チャンネル
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