こたつむり

ケイゾクのこたつむりのレビュー・感想・評価

ケイゾク(1999年製作のドラマ)
4.0
十何年ぶりくらいに再鑑賞。
初見時は“ミステリ”という先入観で捉えてしまったんですよね。だから、自分の中の評価は高くなかったのです。でも、改めて鑑賞してみると、この物語は“真山と柴田の軌跡”を楽しむドラマだと気付きました。我ながら遅すぎますね。

また、結末を知ってから観ると。
最初から“様々な想い”を孕んでいることが判るのです。例えば、ただの“ぶっきら棒”に思える真山の行動や表情。このひとつひとつに泣ける“理由”があるのです。

また、配役も巧みでした。
序盤に抱いていた“違和感”が終盤に活きてくるのは見事な限り。やはり、俳優さんたちの魅力を引き出す演出。これが一流の仕事ですよね。

ただ、正直なところ。
その演出が物語の方向性を掴みづらくさせたのも事実。これを受け入れることが出来るか…は相性に依る気がします。しかし、これも現在の視点で捉えれば「時代が追い付いていない」だけだったのでしょう。

そう。
監督(と植田P)の目指したかったことは、時を経て『SPEC』で昇華されましたからね。10年くらい時代を先取りし過ぎたのです(あるいは本作によって道が出来てフォロワーが生まれたことにより、目指したところに到達できた…のかも)。

まあ、そんなわけで。
ひとつの時代を創ったドラマであることは間違いなく。渡部篤郎さんと中谷美紀さんのプライベートの噂も含めて、色々と感慨深い作品でした。
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