ししまる

サバイバー:宿命の大統領 シーズン3のししまるのレビュー・感想・評価

4.2
◼️概要
2019年にNetflixで放送された政治ドラマ。シーズン3にしてファイナル。無党派としてカークマンが大統領再選に挑む。全10話。
◼️キャスト
カークマン:キーファー・サザーランド、CIA捜査官:マギー・Q、大統領首席補佐官:アンソニー・エドワーズ、選挙キャンペーンマネージャーのロレイン:ジュリー・ホワイト
◼️メモ
ショーランナーの相次ぐ交代、視聴率低下により米ABCが2シーズンで打ち切ったのをNetflixが復活させた。
毎回、SNSの動画、テレビの街頭インタビュー、トランスジェンダーたちのグループ討議など、セリフではなく実際の市民の声が流れるシーンがあり、フィクションとドキュメンタリーを融合させている。
キャストが1シーズンのみの契約で、更新作業が複雑になったこともあり、本シーズンで打ち切りられた。
歴代の米大統領で政党無所属なのは初代のジョージ・ワシントン(連邦党に分類されることがある)、二期目でホイッグ党から追放されたジョン・タイラーのみ。
◼️感想
5人目となるショーランナー、ニール・ベアーのもと、再びシリアス路線に変化。シーズン2のような緩さはなくなった。ベアーは「キャラクター主導型のストーリーに移行した」と語っており、性転換したトムの義妹、薬物依存の首席補佐官の妻、報道官の知らない実子ら、キャラがそれぞれ家族の問題を抱えているのも本シーズンの特徴。
バイオテロという新たな危機はあるが、スリラー要素のウエイトは少なく、人間ドラマに軸足を置いている。
そのドラマを描く材料となっているのはネガティブ・キャンペーン、討論会、選挙資金やフェイクニュースなど大統領選を巡る話題、「荒廃するアメリカ」と言われたインフラ老朽化、児童婚、学校教員のストライキ、移民、麻薬性の強い鎮痛薬オピオイドなどアメリカが実際に直面する内外の問題。
米国の視聴者には、Netflixが番組を政治的に左に動かし、大統領がバランス感覚を奪ったとの声があったという。
結末は後味悪いが、個人的にはカークマンの選択は誤っていないし、一つの結末としてはありだと思う。世の中、きれいごとだけじゃ動かせない。知らなくていいこともある。血も涙もない超絶嫌な女のロレイン、好きだなあ。
ししまる

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