ししまる

ホット・ゾーン:アンスラックスのししまるのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

◼️概要
2021年に米ナショナルジオグラフィックで放送されたドラマ。シリーズ第2弾。2001年9月11日の米同時多発テロ直後に起きた米炭疽菌事件を描く。全6話。
◼️キャスト
FBI捜査官マシュー:ダニエル・デイ・キム、USAMRIID(米陸軍感染症医学研究所)の微生物学者イビンズ:トニー・ゴールドウィン、FBI捜査官:ドーン・オリヴィエリ
◼️メモ
ホット・ゾーンは、身体に悪影響を及ぼすものに触れる危険性が高い区域。感染症流行地や被爆地などを指す。
事件は2波に分かれ、米3大ネットワークテレビ局やニューヨーク・ポスト、上院議員などに炭疽菌入り封筒が送りつけられたバイオテロで、5人が肺炭疽を発症し死亡、17人が負傷。FBIは「米の司法史上最も大規模かつ複雑なもののひとつ」(公式HP)としている。
ブッシュ政権は「アルカーイダによる同時多発テロの第二波攻撃」と主張。炭疽菌はイラクで生産されアルカーイダが郵送したとか、炭疽菌はイラクの土壌鉱物を含んでいたなど、イラクと関連付ける報道も相次ぎ、イラクの大量破壊兵器保有疑惑を理由とする03年のイラク戦争に繋がっていったと考えられている。
イビンズは08年7月、起訴目前に鎮静剤を過剰摂取して死亡し、自殺とみられている。FBIは翌8月、イビンズの単独犯行として捜査終結を宣言した。
関与が疑われたUSAMRIIDの元職員ハットフィル博士はアシュクロフト司法長官らを提訴、政府が約580万ドルを支払うことで和解した。
冒頭シーンのソ連スヴェルドロフスク炭疽菌漏出事故(1979年)も実際に起きていてる。
◼️感想
エボラ出血熱の感染を描いたシーズン1は未見。ナショジオにもドラマあるんだ。
架空の人物もいるが、炭疽菌入りの封筒など、全体としてよく再現されており、歴史を学べる良作。NBCキャスターのトム・ブロコウ、ニューヨークのジュリアーニ市長ら著名人が登場。当時の実際のニュース映像も使われている。
先入観に基づく米政権、誤った方向で捜査する当局。まさに事実は小説より奇なり。本作は5時間程度だが、捜査は7年に及んでおり、実際の捜査はかなり根気がいったろうなと驚く。イビンズ狂ってる。
ししまる

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