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ザ・モーニングショー シーズン1のrhumのレビュー・感想・評価

4.0
権力と支配構造が引き起こす問題を巡る人間ドラマ。本音と建前、嘘と真実、野心と保身、打算と信義。複雑な思いを抱えた人々が複雑な人間関係の中で衝突しギシギシと軋みを立てる。
物語の中心にあり、めちゃくちゃ重層的多面的かつ丁寧に取り上げられてるsexual harassmentの件を筆頭に、その他にも様々な問題が会社家庭などなどに散らばっているが、いずれの問題においても共通した原因が見て取れる所が興味深い。

「ここまではOKで、ここからはNG。ラインを越えていないから僕/私は問題なし」ってな通り一遍の線引きを身勝手にしてるうちは根本的に全然ダメ。相対する個人の"痛み"に意識をフォーカスするところから始めない限り、誰もが簡単に行動を間違え得る、直接間接問わず加害者になり得るのだ…ということが見ててよーくわかる。
殆どの登場人物が常にイライラしながら神経すり減らしている点も含め、2020年現在地点の誠実な描写としてちょっと申し分ない内容。重い。
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