ジェイコブを守るためのS510のネタバレレビュー・内容・結末

とても濃厚なストーリーで、主人公家族を中心としたヒューマンドラマとしてだけでなくクライムミステリー/スリラーとしても素晴らしく、見応えがあった。俳優陣の演技も凄く良かった。

狡いというか巧いというか、パッツが遺書を書いてる時点で脅されているのであろうことが視聴者にも分かり、ただベンに執着していた様子も視聴者だけは知っていて、結局ベンを殺した犯人がパッツなのかジェイコブだったのか、あるいは他の人間なのかは不明なままというのが、この物語の醍醐味なのだと思う。

自分はジェイコブはサラにセルフィーの件も含めて証言させることを拒んでいた様子から共感性もちゃんとあって、やっていないという言葉通り犯人ではないと思っているが、原作を読んだら犯人が判明するのかもしれなくても曖昧なままでいたいと思うような物語と構成だった。

冒頭からアンディがジェイコブの裁判とは別に質問されている様子が差し込まれ、無実が証明された後も何か良くないことが起こると示唆されていて終始気が抜けなく、ホープの件ではローリーと同様にジェイコブを疑ってしまい、最後まで緊張感に満ちたまま終わった。

内容的に気軽に観られる作品ではないが、是非鑑賞してほしいドラマだった。Apple TV+だけでしか観られない点がMacユーザーではない自分には残念。