クラリス

anoneのクラリスのレビュー・感想・評価

anone(2018年製作のドラマ)
4.7
好き。
坂元裕二感全開。登場人物みんな、今まで報われてこなかった側の人たち。みんな、どうしようもなくてもどかしいくらい小さな不幸をたくさん浴びてきた人たち。だから胸が締め付けられる。

放送当時リアルタイムで見ていて、今回念願の2回目。
このドラマを見て以来ずっと、ケーキの周りのフィルムを剥がす度にこのドラマのことを思い出してきました。『ケーキのフィルムを舐めて良いのは家族といる時だけ』っていう家族の定義が本当に目から鱗で、でもすっごくしっくりきて、私の脳内辞典の“家族“って言葉の定義は「一緒にいてもケーキのフィルムを遠慮せずに舐められる相手」になった。

最終回は号泣。広瀬すずと清水尋也の面会シーン。本当は赤いワンピース着て再会したかっただろうに、少年院のスウェットで…😢
そして感動の再会のはずなのになんて尊くて他愛のない会話なんだろう…刑務官が何も書けなくなっちゃうの分かるよ。

なんと言ってもこのドラマはキャストが最高でした。
小林聡美はこういう役でこそ輝く人だと思う。ちょっとひねくれてて口が達者で小狡い人(笑)馬が合った阿部サダヲとの会話のラリーが最高に面白かったです。
もちろん田中裕子は安定に言うことないし、広瀬すずの影がある役も演技力が発揮されていてとても良かったです。

その4人の疑似家族が本当に愛おしくて、偽札造りが進んでいく程に「このまま仲良く幸せに暮らして欲しい」という気持ちが強くなり心が苦しくなりました。
最後は小林聡美の霊感ある設定が活かされていて、良い終わり方だなと思いました😌
クラリス

クラリス