彦次郎

バスケット・ケースの彦次郎のレビュー・感想・評価

バスケット・ケース(1982年製作の映画)
3.7
お互いを感知できる双生児が分離手術を行った医師たちへの復讐の果てに訪れる悲劇を描いたホラー。
ニューヨークのホテルに投宿する青年ドウェインは常にバスケットケースを抱えており中から不気味な音が聞こえるとい謎が提示されており(ジャケットを観るとネタバレされているけど)、医師の殺人と青年がどう関係しているかがサスペンスにもなっております。中盤から頭から手足が生えているような狂暴な兄の行状はホラーでシャム双生児を材にとったフリークスのグロテスクさを押し出したように見えます。しかしドウェインの恋愛要素が入ると兄の容姿による性的不遇不憫さが浮き上がり巻き込まれる弟との愛憎がドラマとして印象的でした。奇形とかいう要素を抜きにしても兄弟(しかも存在としては双生児)の身内であるがゆえのお互いへの感情は普遍的なのではないでしょうか。
いかにもB級ですが忘れ難い作品です。
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