がんがん

RRRのがんがんのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.0
世の中には2種類の人間がいる。

「ナートゥをご存知の人」か「ナートゥをご存知でない人」か。

ようやくご存知の人になることができました。エキスポIMAXレーザーGT再上映ありがとうございました。上映後拍手が起きたり、あの黄色いバングル柄のリストバンドを配ってる人がいたり、RRRガチ勢の熱意が凄かったです。

1/20からはドルビーシネマ上映も始まるとのことです。ゴールデングローブ受賞とのことでRRR旋風が止まりませんね。オスカー受賞もあるかも?

3時間の長丁場でしたが体感6時間、全編クライマックスばかりで緩急が無くしんどかったのでNOT FOR MEでしたが、橋ロープからナートゥ、ビーム版レミゼ民衆の歌まではめちゃめちゃ楽しめました。INTERRRVALでえ?やっと半分?もうお腹いっぱいやで帰りたい、となったので90分でまとめてくれてたら好みのやつでした。あの予告で観てた橋ロープは絶対クライマックスやと思ってたのに、まさかアバンタイトルに過ぎなかったとは…


これはもっちゃん部長に教えてもらったハードパワー、ソフトパワーを描いた物語だと思いました。英国による銃器を用いた暴力の支配であるハードパワーでの一方的な統治。ビームが民衆の心に届けた歌を用いたソフトパワーによる解放への抵抗。

しかし戦争は綺麗事ではない。暴力には暴力を、で結局のところ抵抗するしか現実にはない。ナートゥのロケ地は奇しくもウクライナのキーウにある大統領公邸のマリア宮殿だったそうで、撮影終了から数ヶ月後ロシア侵攻が始まったとのこと。ウクライナの人々はロシアからの暴力による侵略に立ち向かうため、銃には銃で抵抗するしかない。現実と創作がリンクしてしまった。本作はラーマとビームによる、奪われたものを取り返したという神話で締め括ったのだと解釈しました。


ちなみに大作インド映画のことをボリウッドと呼ぶのかなと勝手に思っていたのですが、本作はトリウッドというようですね。

ボリウッド→ボンベイ(現在のムンバイ)の大手スタジオで制作されたヒンディ語映画

トリウッド→テルグ語映画(RRR、バーフバリは基本的にこれに該当するようですね)

他にもコリウッドやモリウッド、サンダルウッドなどたくさんあるようです。調べてみて初めて知りました。ナートゥはテルグ語での呼び方、これがヒンディ語だとナチョになるようで、YouTubeにナチョナチョバージョンもありました。

ただインタビュー記事で本作主演の方が「ボリウッドとかハリウッドとか、映画を分けて捉えるのはやめよう。僕らが日本に来られたのは、日本のみなさんが寛大な心でドアを開いてくれたおかげ。逆に言うと僕らにとっても、日本映画は異質な存在ではないんだ」と言われており、他言語国家における真の多様性はこういうことかなと勉強になりました。

引用記事

https://ginzamag.com/interview/rrr/



引き続き宣伝
2023年にIMAXで観るべき作品

https://note.com/gangan821imax/n/nc7a167ee18fb
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