ハレルヤ

生きる LIVINGのハレルヤのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0
1953年のイギリスのロンドン。役所の市民課で課長として働くロドニーは末期ガンで余命僅かと宣告される。残りの人生を自由に過ごそうとするも、これまでの自分を思い直して長らく手付かずだった公園建設を進めようとするヒューマンドラマ。

もはや説明不要の名作、黒澤明監督作品の「生きる」。舞台をイギリスに移してのリメイク。ハードル上がりまくるのは間違いないですが、その期待にキチンと応えてくれる仕上がりでした。

オリジナルの主演は志村喬。彼の名演は忘れられない印象がありますが、今回の主演はビル・ナイ。余命僅かで残された時間を人のために精一杯生きようとする主人公にはまさに最適なキャスティング。

時代も同じく1950年代。陳情書のたらい回しという役所仕事の雑さを表した序盤も同じ。公園建設に熱を入れる主人公も同じ。ラストのブランコも同じ。

原作に忠実に沿って作られているのもオリジナルへの愛を感じましたし、時間は40分も短いですが物足りなさは感じません。良い意味でシンプルにまとめ上げて、舞台が変わっても根底に流れる自分の人生への問いかけ。自分が変われば周りも変わる。70年前のオリジナルで投げかけたテーマは今でも通じるもの。

見終わった後もオリジナルを見た後に近い温かさがこみ上げてきました。改めて素晴らしさを実感した今回のリメイク。この作品から見るのも有り。オリジナルを見てから本作を見るのも有り。そういえばまだ本家のレビュー投稿していなかった!また書きます。
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