BOB

友情にSOSのBOBのレビュー・感想・評価

友情にSOS(2022年製作の映画)
3.5
サンダンス映画祭で脚本賞を獲得した、アマゾンオリジナルのスリラーコメディ。

年に一度のパーティーナイトに緊急事態発生。黒人大学生二人が自宅アパートに戻ると、意識不明の若い白人女性が倒れていた。さて、どうする?

🚔🚑

これは当たり。良作。色々と考えさせられる社会派スリラードラマだった。

多民族国家アメリカは、ジェンガのように不安定なバランスで成り立っていて、1つのブロックが抜け落ちるだけで、ガラガラと社会崩壊してしまう危険性があることを描いている。

人種偏見を持たない優等生タイプの黒人学生、フレンドリーで陽気な黒人学生、機械系オタク気質のラテン系の学生。女性を助けたいの一心でとった行動が仇となり、どんどん窮地に追い込まれていく。

人種的マイノリティである彼らは、社会からどう見られているかを常に意識している点が面白い。救急車を呼ぶという"何てことない"決断に、黒人であること、男であること、酒とドラッグをやっていることなど、色んな懸念材料が絡んでくる。

印象的だったシーンは、女子学生たちが、警官のフリをして男子学生たちに近寄るシーン。男たちは懐中電灯の光を向けられると、相手を確認するより前に、反射的に手を挙げ、地面に伏せる。警官による黒人暴行シーンは、ニュースや映画で何度も目にしてきたが、このような描かれ方は初めて見た。警官対処法がどれほど浸透しているかを象徴する巧いシーンだった。

人工蘇生は、"Staying alive"♪のリズムで。

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