朝井リョウさん原作なので覚悟してましたが、基本的にみんないい人たちでよかった。
私自身、どちらかというと中川友望さんや藤原季節さん演じるキャラ(卒業式のハイテンション地獄だよね)側なので、「馴染めない」感じのディテールを表現するのが中川駿監督流石だなと思いました。
黒板の寄せ書き、やたらと叫びたがるぽっぽした感じとか、わかりやすいモチーフはありつつ。恋愛系の話でのやたらと大人びた風、卒業でなんかを空に投げる感じ、ああ馴染めない。。
"人はみんな日常生活を演じてる"はもはや「そうだけどなにか問題でも？」な形容ですよね。でも、高校生〜大学生の過渡期は演技過剰になりがちで、かつての私はその過剰さが苦手だったのかもと思いました。今作はその過剰さが妙にリアルっぽく、今見ると嫌とかではなく愛くるしさすら。小野莉奈さんあたりがその演技過剰を見事に演技して素晴らしい一方、その対角にいるのが佐藤緋美さんの抑えた演技でこれもすごい。
佐藤さん演じる森崎っていうキャラ自体がその「躁状態」みたいなものを避けて振る舞ってる感じがするんですが、それを魅力として見事に体現してます。聖飢魔IIっぽい(とすら言えないくらいの低クオリティ)エアバンドが照れ隠しっていうのが最高。ツーショット、卒業式と2度写真撮影のシーンがありますがそこの表情演技も個人的にとってもお気に入りです。
他にも、もはや説明不要な河合優実さんや、彼をもってすると陽キャどうこうとかじゃなくなる華をもつ窪塚愛流さんなど、若手俳優さんの魅力を詰め合わせた作品でした。
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・中井友望さんはFilmarksのWiki機能だとなぜか「かそけきサンカヨウ」が出演作としてひっかからないですね。あちらでもちょっと屈折した素晴らしい演技でした。
・「森崎」って聞くとチームナックスとキャプテン翼だったんですが、もう1人加わりました。全員、隠れた実力者ですよね。
