ルーク大佐

スペースマンのルーク大佐のレビュー・感想・評価

スペースマン(2024年製作の映画)
3.7
SF映画といっても原作者はチェコ人なのでド派手な宇宙戦争や次々と宇宙船が爆破の危機に襲われるようなスペクタル系ではないと推測していたが、予想通りきわめて内省的かつ思索的なストーリーだった。

宇宙のはじまりについての解釈は奇想天外な話ではなく、最先端の宇宙物理の法則やインテリジェンスがなければ物語についていけないものではない。難解な知識で観客を引っ張り込むパワーがないため、そこがノーランの『インターステラー』などと違うところだ。

アダム・サンドラーといえば、たいていお調子者で女好きで口先詐欺師のような役柄が多いが、本作ではとても抑制的で鬱々としたシリアスな演技をしている。愛する妻への感情表現やクモ型宇宙人との抱擁シーンもシラケることがなく、熱演だった。

英語を理解する宇宙人の声はポール・ダノだが、妙に説得力があり、物語をきっちり引き締めていた。

宇宙に行っても、愛。人生の目的は愛。愛こそすべて。
他人との接触を深め、愛がなければうつ病になる。
普遍的なテーマの作品だ。
途中でなかだるみするので、まあまあかな。
ルーク大佐

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