のこのこのこっち

陽の届かない場所でののこのこのこっちのレビュー・感想・評価

陽の届かない場所で(2017年製作の映画)
1.5
まさに中途半端さ全開フィルム。予告編 Jd1UyC3bgpI を見て美しい映像で撮ってみました的なことになっているのかな?とまず思わされていた。

チュニジアの女性権利の活動家、アミーナ・サブウィさん(1994年生まれ)は18歳のときウクライナのFemenに属しており、「My body is mine」と裸の上半身に書いてFBに投稿しバズった。しかし団体での過激な活動は合わず、脱退しチュニジアで私たちが普通に暮らすことができればいいという想いで数人の性的マイノリティの仲間と暮らしつつ活動している。というのは、チラシを見ればわかるレベルのことで上映前の主催者の説明もあり(チュニジアは民主化に成功した国ではあるが同時にまだまだマイノリティへの迫害は強い。民主化により映画が盛んになり女性監督も出てきている)扱っているものはわかってしまうのではっきり言ってここで完結する。同性愛者というだけで逮捕されちゃうような情勢です!とまあ、そのくらいの前提となります。

あー、ナレーションや字幕のないスタイル。例えば名前の似てるジョージア映画『陽のあたる町』のように映像で迫ってくれればキレイならそれで十分マンなので、それはそれですごく楽しい。同じ同性愛も扱ったものとして、これよりあとに観た『二十歳の息子』のように見えてくる個人の在り方なんかがあるなら引き込まれもすると思う。が、ここにはどちらもない。

はっきり言いましてサンドラさんって誰?になる。主要な登場人物は他にサンドラ(トランスヴェスタイト)、ラーミー (ゲイ)、アイユーブ (ゲイ)、アーティフ (ゲイのトランスヴェスタイト)らしい(IMDbより)。ちんこを出すいちばんわかりやすいアーティフさえ、ほんとの女性かもとわからなかったさ。ちなみにラーミーが長髪の髭、アイユーブが短髪の髭です。事前に名前見てて主要人物さえわからず終わりました、少なくとも私は。誰がどんな性自認かわからぬまま進めるのはこの場合致命的な気がする。

それぞれに何があったって、アイユーブはパートナーと別れるのがあったなくらいでアミーナの幼児のときに虐待受けて(と言ってたよね?サラッと流しすぎててハテナがつく)くらいしか印象には残らない。あー、あとは国外に出られない理由を言っていました。家族と連絡取れるままでありたい。国を出てった友だちもいる(たぶんアーティフ)。家族さえ、受け入れてくれないという発言もあり肩身の狭さはとてもわかります。自傷しちゃうのもわかる。というか、生きようと前を見たマイノリティという図は見てて伝わってくるけどさ。普通に生きたいというだけのアミーナがそのままそうであるには活動家になるしかなかったみたいな。

まだまだ、性的マイノリティに超厳しいイスラーム社会での現実にある数人の人々を映しているだけのもの。