悪魔の毒々クチビル

コマンドーニンジャの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

コマンドーニンジャ(2018年製作の映画)
4.0
「この世にニンジャはただ独り」

元妻を殺され娘を誘拐されたコマンドーニンジャが救出に向かうお話。


フランスにてクラウドファンディングで制作されたアクション映画です。
U-NEXTに最近来ていた作品で、半端ねぇイロモノ臭がしていて逆に気になっていました。
因みに主人公はアメリカ人設定だったりで、作品は英語吹替えとなっております。

そしてこれが只のイロモノに終わらないオマージュまみれのバカSFアクションで、超楽しかったです。
冒頭、主人公ら特殊部隊が密林を歩く中あのお馴染みサーモグラフィ視点で部隊を見つめる存在。そして光学迷彩でカモフラージュし、プラズマキャノンみたいなヤツで急襲してきたのは当然プレデt…ではなくニンジャ!!忍者じゃなくてニンジャ!!
今作、色々な作品のオマージュがありますがシュワルツェネッガー映画、特に「プレデター」ネタが多かったと思います。
個人的に光学迷彩の輪郭をしっかり1作目に寄せていたり、キャノンで仲間に血が飛び散る所は本家のブレインのくだりだったり、これまた本家で言うビリーの絶叫だけが木霊する場面etc.だったりと細かい部分をしっかり再現している部分は「プレデター」好きな俺としては嬉しかったですね。Get to the chopper!!
もう普通に娘の部屋に「プレデター」のポスター貼ってあったし。
ただ86年って設定なんだけど、「プレデター」って87年公開なのよね~。

舞台が80年代ってことで、オープニングクレジットの80's演出とか映像も上手く古風にしているお陰で当時の雰囲気を完全再現していて微笑ましい。
シュワちゃんのトレーニング映像観ながら運動しているシーンもあったな。

娘も父親譲りなのか、子どもながら侵入してきたニンジャ軍団をブービートラップで仕留めたりと地味に活躍。
シュワルツェネッガーと言うよりは鈴木もぐらに近い体型のターミネーターもどきサイボーグさえ現れなければ、意外とどうにかなったのではと思うくらい。

主人公のジョンはかつて捕虜になったものの、忍者の血が混じっているって理由で敵地の大佐に忍術を教えて貰うという超展開があった事が途中で判明します。忍術と言うより武術だったけど。
そんな訳で娘の救出には銃火器に加え、手裏剣や日本刀と言った異文化交流武装で「コマンドー」ばりの殴り込み無双していました。
ジョンも身体自体はムキムキなので、こう言う重装備が似合う見た目なのも良し。
ここら辺中心にゴア描写も手造り感満載ながら抜かりなく、手足は余裕で切り落とされるし頭も木っ端微塵になるし臓物も垂れ流しとしっかりやっているのも好印象でした。
だから撃たれた兵士と言う名の紛うことなきマネキンが屋上から落ちて来ても、撃たれる瞬間に敵が案山子になっても温かい目で見守れるよな!
銃口を相手の目にぶっ刺してそのまま発砲する場面が好きでしたね。

バトルシーンは基本的にショボいんだけど、終盤のプレデターニンジャとの闘いは相手が無駄にアクロバティックな動きが出来るお陰で割と良かったです。
そのままラスト数分で更に展開を詰め込んで強引にエンディングまで持っていくのも、こう言う作風なら全然アリでした。
そう言えば何故か恐竜も出てきていたけど、ラプトルの鳴き声がまんま「ジュラシック・パーク」のだったのは…まぁきっと大丈夫なんでしょう。

思っていたよりも突き抜けたバカ映画だったので楽しめました。
アストロン6の作品とか好きな人にはオススメ出来るかと。
どうやら続編も決定したようなので、こっちも楽しみですね。