長らく映画館に行けておらず&観たい作品の公開ラッシュの中、まず1番目に観たいと思ったのがこの作品。「GIFT」鑑賞済みとはいえやはりあのラストには打ちのめされたし、満席の客席の大半は若者だったことも驚きだし、そこに希望を見出しもした。静寂に包まれる映画館。良かった…
人間対人間から自然対人間へと突進む濱口監督…最高。神聖さすら感じる風格。両者が見事に重なるあの鮮烈なラストといい、GIFTという題を冠するB面の存在といい、全ては対、つまりバランスの上に成り立つ。作品そのものがそんな究極の摂理に還元されていくなんて…あまりに美しい。
水は上から下へ流れる。上流の者の責任は下から押しつけられるものではなく、この世界、そして自然に仮住まいさせてもらっている者として当然の如く発生するものである。そのことを忘れてしまっている人が多すぎるよな、と考えた(都会で暮らす自分もまたその1人といえる)。
ナチュラルでありながら鋭い批判性にも満ちていて、やはりこの監督がますます好きになる一方である。
