現在進行形の『灰とダイヤモンド』
21世紀の『地下水道』、
『ソハの地下水道』
ワイダ、カヴァレロヴィッチ、
キェシロフスキ、
脈々と流れている伝統的リアリズム。
聖なるストーリーから、
メタフィロソフィー、
国、戦争、平和、人間を題材にしながらも、知らなかったとは言わせない、
見てないふりをさせないように、
観客の自分事になるまで巧みな描写で、
問題を引きずり降ろす。
そしてプーチンでもなく、
ベラルーシや、
ポ国境警備隊でもなく、
オマエはどうするんだと、
突きつける手法は健在だ。
具体的にいうと、
肌の色に対する考え、
手の甲、足の裏のケガ、
治療する薬品、
それぞれの痛み傷みを、
観客の心のネガに焼き付ける、
ポーランド映画のリアリズム技術、
旧共産圏の映画に対するリテラシーの高さの伝統を駆使しながら、
協力者が警察に対して聖歌を武器にしたり、
難民と協力者がラップを唄ったり、
対照的な音楽が印象的に使用されている。
こういう対比で、
異文化の衝突、
価値観が違っても協力する意志、
センス等、
伝統の守破離、
いつまでもワイダを頼らない感も素晴らしかった。
悪は存在する、
闘いも存在する。
【蛇足】
上記にも書いた旧共産圏、
欧米諸国では映画俳優、スタッフは国家公務員に近い職種。
そうでなければ、
国家試験が必要、
または、
少なくとも運転免許のような、
資格制度が存在する。
義務教育でも、
国語、数学、音楽とおなじように、
演技、芝居がある。
上記のポーランドの監督たちは全員、
ポーランド西部のウッチ国立映画大学の卒業生だ。
日本でも導入すれば、
少なくとも経済的インパクトも低くはない、
そのあたりは、
youtubeでも話しています。