このレビューはネタバレを含みます
予告で知って、原作読んで、絶対に公開日に見ると決めていた作品。本で読むのと映像で観るのとでは感じ方が少し違うと思った。本は全体を通して感じることがあったけれど、映像だとその場面ごとに感じることが深くあった気がする。
きこちゃんが声を出せずにいた(声をあげられずにいた)過去を映像で観ると、目を塞ぎたくなって眉間に皺が寄っていた。自分に経験がないことなんだけど、それを1人で背負っていることに助けてあげたいと思った。あと、アンさんが自分向き合ってきた過去と、向き合い続けて苦しんでいる姿がすごく苦しくなった。好きな人を幸せにしたくても、自分ではいけないと思ってしまうこと、だからここその人には幸せでいてほしいと願うこと、それしかできないと感じているアンさんがすごく辛かった。
きこちゃんとアンさんを観ている私からしたら、そんなこと思う必要ないじゃん!って思うけど、それがその人にとって本当の幸せなのか自信がない。それなら見守ろうって思うんだと思う。その苦しんでいる姿にすごく胸を打たれた。
各役を演じられている役者さん全員が本当にすごい。杉咲さんの志尊さんの演技は、孤独で苦しんでいる過去を感じられたし、小野さんは「きこを絶対支える」という強くて優しい人柄を演じていた。
そして、余貴美子さんはすごい。この人すごい…と言葉をなくす凄さだった。