しらすごはん

アメリカン・フィクションのしらすごはんのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.5

2020年代のプログレッシブコメディ。

アカデミー賞に何部門かノミネートされて いたと聞いてましたが、日本で公開されず(第96回アカデミー脚色賞は受賞)。

Amazonプライム配信のみ。

日本で公開しても、客を呼べないなぁと思われちゃったんですかね。

昨今のコメディは、人種やフェミニズム、LGBTQと巧みに距離をとること、それを気にする自分を笑うところにおかしみが生まれます。

アメリカ社会の文脈がわからないとピンとこないのでしょう。

確かにキャッチできなかった部分は多かったかも。

ただ、主人公が善良で魅力的な人物なので、ずっと見ていたくなります。

どういう終わり方するんだろうと思ってましたら、アメリカンフィクションにふさわしいばっちりキマッたラストでした。


シニカルな黒人作家セロニアス・エリソンが主人公。

セロニアスだから、”モンク”と皆からあだ名で呼ばれている。

主人公の本は、文学的過ぎて本が売れない。

一方、売れっ子黒人女性作家がテーマとしているのは、虐げられた黒人女性の物語。

当の女性作家はインテリ、豊かな生活を送っている。

頭にきた主人公が戯れで、ステレオタイプの黒人をテーマに書いたら、出版社から評価されちゃう。

主人公は、なんとか出版だけは阻止しようと、「〇〇〇〇という題名じゃないと出せない」と条件をつけるも、すんなり受け入れられる。

出版されると大ヒット。

認知症になった母親を施設に入れるためお金が必要な主人公は、しぶしぶ事態を受け入れる。

「著者は逃亡中の犯罪者」という体にして、インタビューを受けるも、主人公の挙動不審な態度がウケる始末。

ついには、主人公が審査メンバーになっている文学賞まで受賞してしまう。

主人公は、受賞式で真実を打ち明けることになるのか…
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