このレビューはネタバレを含みます
もうどこから思い返していいか分からないくらい良かったな。消化が難しい
フワフワと夢を見ていたような気分
ドラマ、ファンタジー、ホラー、なんと分類して良いかわからないような曖昧さ、スッキリしない感じというか委ねられ方が好み。
どこまでが現実でどこまでが夢、幻覚、幽霊なのか、生きているのか死んでいるのか、その曖昧な感覚がどんどん覆されていくような展開で世界に引き込まれまくった…観ている間はそれを突き止めようと色々考えているんだけど、終わってみたらそんなことはそもそも重要じゃないと思わざるを得ないくらいにいろんな感情が湧き出てきた。考えるよりもとにかく感じる映画
まずキャストの演技力が凄いし、人物の感情表現が繊細すぎる。特にアダムには感情移入しまくってしまった。
ゲイ同士の描写とかカミングアウトの描写とかももはや説明的ではあるけど、なんかかなり自然でリアルな感じを受けとった
親がどう受け止めるのか、の母親と父親での違い、ゲイ同士での価値観の違い、そもそもの分類する呼称についてのニュアンス、ジェネレーションギャップ、
時代は確かに「変わった」のかもしれないけど、この映画を観た後に残るのは本質的なとこが全然変わってねぇよ…というやるせない感情
ただ、「寂しさとゲイであることは違う」というのも本音なんだろうけど。
そして親子パートは全部よかった。常に泣けた。
親としても子が大人になるまで見届けられなかったこと、子としても親と十分に時間を過ごせていないこと、お互いがお互いにその未練をぶつけ合っているからその間にある愛が切なくも暖かいし、アダムが両親の前ではしっかりと子供なのがたまらない。
ハリーの包容力。これは本来のハリーなのか、霊なのか、そもそもアダムが理想とする存在に過ぎないのか、わかんないけどめちゃくちゃキュン🫰だったな
時々入るホラー要素はアダムの不安とか恐怖みたいな部分にも通ずると思うけど、単純に映画のエッセンスとして好きだったな
結構終始緊張しながら見てたかも。
明るくなっても中々席立てなかったな
『怪物』観た時もこんな感じだった