sappukei

またヴィンセントは襲われるのsappukeiのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

「冴えない中年男性が何故か目が合った人に襲われる」という、ブラックコメディ要素も強い不条理スリラー。という導入からその恐怖はどんどん伝播し、最終的にはゾンビやウイルスパニック映画の様相を呈する。ただ今作では具体的な理由は最後まで明示されない。
この手のゾンビ的パニック映画は「人類vsゾンビ(感染者など)」の二分された構図になるのが一般的だが、今作に於いては最初の段階では「無作為な少数派vs無作為な多数派」という構図になるのが風変わりで面白い。その小さな対立が世界に拡がるさまは、差別や分断が深刻化している社会への風刺が含まれているのかもしれない(ないかもしれない)
そう考えると、少し唐突にも感じる終わり方も「分断や争いを無くすのは、相互の愛と信頼」というメッセージかもしれない(違うかもしれない)
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