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夜明けへの道のMKのレビュー・感想・評価

夜明けへの道(2023年製作の映画)
1.5
うーん、アートかぁ…難しい。
時代革命のような作品を期待していたせいかな。

もはや報道されることもなくなり、ネットインフラすら規制されているかのように聞いていてるミャンマーの現状を知りたくて観に来たのだけれど、監督はミャンマーのどんな現状を伝えなかったのだろう…国民が観たらどんな感想をもつのかも気になる。。

それとも情報や表現に対する統制や規制はやはりあって、ありのままに表現することができなかったのかな?

今現在、どんな生命の危険があって、どんな暴力や圧力に国民がさらされていて、どれほど苦しくも悲しい現状にあるのか少しでも知りたかったのだけれど、ほぼ伝わってこなかった。

唯一、ネット配信中に自宅を襲撃された女性の涙ながらの配信が真に迫るものを感じられたくらい。

自撮りっぽい沐浴や喫煙、歌を歌うシーン。コメンテーターのように自国の惨状を抽象的な言葉で語る際も時々なるスマホの着信音。
極めつけの幾度となく出てくる食事のシーンとミスマッチで繋ぎの悪いBGMたち。

国際社会に向けてのメッセージなのか国民を鼓舞するためのメッセージなのか…BGMのなかカメラから遠ざかる監督のシーンとか…

ありのまま惨状を伝えるドキュメンタリーか、なんならプロパガンダ的な作品で気運を高めるようなものなら理解できるのだけれど、あてがわれるBGMにはむしろ気分が阻害されてしまって…本作の意図すらよく分からなくなってしまった。

以前ミャンマーの使節団を二度ほど、それぞれ二週間にわたってつきっきりでアテンドする機会があり、気品があり柔和で美しい倫理観を持つ皆さんの人柄に触れ、とてもミャンマーのことを好きになれた体験もありつつ…

そんな国が今もなお大変苦労されているのは分かっていて観に来たし、監督も大変な決断をしてこの生活を送られていることはわかっていながらこんなレビューして申し訳ない気持ちだけど、アートにこだわられているようなので作品に対してということで…ごめんなさい。。

逃亡劇という観点ならビヨンド・ユートピアは迫力があったな…
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