ぐるてん

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版のぐるてんのレビュー・感想・評価

4.2
女学生達が学校の行事でピクニックへ行ったら生徒3人と先生1人が行方不明になってしまう話。

1900年のヴァレンタインデーという何か迷信めいた日に起こった神隠し。同時に懐中時計が止まるシーンでシュタインズ・ゲートを思い出していた。

モンスターやゴーストが出てくるお話ではなく、幻想的な世界観で物語が進んでいく。
舞台は田舎町に見えたが、都市部へ行ってもこの時代だからそれほど栄えていないだろう。そんな時代に人が消えたとなれば大事件だし、とても怖い事だったはずだ。

ピクニックへは皆が白いドレスに身を包み、麦わら帽子を被って、本を読む人も居れば寝ている人も居てその情景だけでも美しい。白いドレスは皆デザインが異なり、そのどれもが素敵だった。

色んな動物が出てくるんだけど、中でもコアラは目を引くしやはり可愛い。あの鶏の様な鳥はなんだったのだろう。

劇中の音楽がどれも素晴らしくサントラが欲しくなる程。そんな中で「良いメロディは全部昔の人が使ってしまった」という謎の名言を思い出していた。

本編とは別軸で進むセーラの不遇がなかなか可哀想で、実は身近にいたお兄さんとの距離感が不憫でならない。そしてそのお兄さんの友達のイケメンがちゃんとイケメンとして機能していたのも印象的だった。

白いドレスと岩山というミスマッチが良い感じに作用したオシャレ映画。めちゃくちゃ良い雰囲気で締めると思ったらラストのケーキドカ食いで笑ってしまった。
ぐるてん

ぐるてん