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フューチャー・ウォーズのBremingerのレビュー・感想・評価

フューチャー・ウォーズ(2022年製作の映画)
4.1
ポスターを見た瞬間に「あ、これレンタルリリースのやつじゃん」と思ったらガッツリ劇場公開でなんかテンション上がりました。この手の作品が劇場で観れるのは嬉しいです。

SFコメディですが、ベースは地に足ついたものになっており、それでいてギャグも結構面白く、世界観や装甲とか色々好みのものが多く、思っていた以上に楽しかったです。

終末世界の原因になった原発事故を食い止めるために未来人が時空警察と対峙、原因となった父とその父を正したい娘も混ざってという設定自体はしっかりしていました。時空警察は地味にドラえもん以外でしっかり登場したのは初めましてでした。

序盤からベッタベタなどっちかのボタンを押したら爆発の寸止めコントに突然やってきた未来人の指示を仰ごうとしたら、今度は時空警察もやってきてしっちゃかめっちゃか、説明書が中国語で中国人連れてきたら地域が違っててんやわんやで、時空警察の指示に従ったらボカーンという正しい歴史できのこ雲とはいえ展開が早すぎて笑いっぱなしでした(笑っていいものかは悩みましたが)。

未来の姿は完全に荒廃世界なので、未来だけど別に最新技術があるわけではないので、瞬間移動や時空移動以外は00年代のオーラを纏った絵面が懐かしかったです。
中盤謎にゾンビが登場したり、困窮した人々も登場しますが、そこまでストーリーに絡んでくるわけではないので、添え物として観るのが気楽だと思います。

時空警察が親子をターゲットに絞ったりしてからのストーリーからはおふざけ少なめ(と言いつつコメディリリーフはちゃんと仕事やってる笑)でしっかりした脚本と共に進んでいきますが、ここでの駆け引きもかなり面白いものになっており、裏切り裏切られ、協力し合っての展開に身を任せられて楽しかったです。

ラストシーンはかなり良いものになっていて、記憶の改竄の有無や次世代、子供達への継承なんかもあって、その判断がその後を救うといった終わり方はかなり好みでした。
なんやかんやで存在してないけど存在してるという曖昧ながらハッピーに終わってくれたのは今作のテーマにぴったりで良かったです。

プロトタイプは15年も前に始まっていて、主演のアルノー・デュクレめちゃめちゃ若かったです。ここまで長い月日をかけて無事完成したんだなとちょっとホロッときました。

サクッと観るのにちょうどいい尺ですし、1本の映画としての完成度も中々に高く、良いもの観れたわ〜と清々しい気分で劇場を後にできました。上映館が限られているのが惜しいところですが、なんらかの形で広がってくれればなぁなんて思ったりしてみたり。
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