【respect!お父さん】
正直コッポラの代表作と名高い『ゴッドファーザー』三部作とか『地獄の黙示録』がそこまで好きではない私でも本作は全編ハイテンションで飽きさせない、痛快サクセス・ストーリー。
実業家プレストン・タッカーを演じる主演のジェフ・ブリッジスが終始ニヤニヤしていて薄気味悪いのが印象的。でも、彼は歴史の影に隠れたアメリカン・ヒーロー。人間的で思いやりのある父っつぁん像で如何にもコッポラらしい描き方。
戦勝国のアメリカだから所謂【勝ち組】ならではの多幸感が全編に溢れている。名手ヴィットリオ・ストラーロの撮影も非常に美しい。制作総指揮はジョージ・ルーカス。だから非常にルーカス色が強く『アメリカン・グラフィティ』同様にアメ車が沢山出てくる。(笑)
日系アメリカ人のマコ・岩松やマーティン・ランドー、フレデリック・フォレスト、クリスチャン・スレーターなど脇役陣も豪華。ある意味いつまでも夢を追いかける子供のような大人の御伽噺。個人的にはコッポラのフィルモグラフィーの中でも特にお気に入りな作品。