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海辺のポーリーヌのニシのレビュー・感想・評価

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)
4.2
ロメールの中でも人物配置に賭けた今作で、終盤、アンリシルバンポーリーヌピエールの4人がアンリの家で真実を議論するシーンで、最初アンリシルバン/ポーリーヌピエールのような構図からポーリーヌを画面奥の扉から一時退避させ、最終的にアンリシルバンポーリーヌ/ピエールの人物配置にしてしまう的確な導線のリズムは素晴らしい。
冒頭アンリの家でポーリーヌを宙ぶらりんな立ち位置に配置させ青臭い潔癖な恋愛論を語らせるんだけど結局ポーリーヌはシルバンとどうでもいい恋に落ちるの、マジ女ってなに考えてるかわかんねー。
サムペキンパー『昼下がりの決斗』よろしく、好きな女は嫌いな男と結ばれてしまうのが映画の常で、ピエールは恋に誠実で臆病で女を強引に押し倒したり巧い段取りを組めない愛すべき男で、彼をロメールは終盤で映画から退場させ、ほんとうに酷い扱いをする。俺はどうしようもない男に対する向き合い方という点において、ロメールよりユスターシュを支持する
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