とり

マウス・ハントのとりのレビュー・感想・評価

マウス・ハント(1997年製作の映画)
4.0
パイレーツ・オブ・カリビアンの監督による、ドリームワークスのファンタジー映画。
というと、なんか違うかな~という違和感をおぼえてしまうこの映画。
あんまり狙ってないというか、肩の力が抜けた感じ。
大作感のない心地よい安定度が、最後まで続きます。
家族で楽しめる良作なんですが、意外と奥深いというか、見所が盛りだくさん。

製糸工場を営む父の遺産として古い屋敷を受け継いだ兄弟。
赤字経営とオンボロ屋敷という負の遺産かとガックリする2人でしたが、実は高名な建築家による屋敷と判明。
競売にかけて儲けようと修繕にいそしむ2人の前に現れた一匹のネズミ。
これがとんでもないネズミで、2人の生活はメチャクチャに・・・。

ネズミの悪魔のような所業に普通ならむかつくはずなんですが、動作とかがすごくラブリー。
可愛さとふてぶてしさのバランスがとても上手く取れていて、グイグイ引きこまれていきます。
小悪魔ネズミに翻弄される兄弟も面白くて、古典的なギャグが満載。爆発に巻き込まれても真っ黒・パンチパーマ状態で口から煙を吐きながら現れたり(笑)
生真面目で現実的な兄と、人情は厚いけどちょっと頭のゆるい弟、というキャラ分けがきっちりできています。

そして何といっても特筆すべきはクリストファー・ウォーケン。
ネズミ退治のプロという役どころですが、主演のデコボコ兄弟以上に異彩を放っています。
嬉々として変人ぶりを演じてるようで、本当に何でも出演する、何でもこなすなぁと感心してしまいます。
DVDでは、本編ではカットされてしまったウォーケンのおまけ映像が拝めます。
得意(というか特異か?)なダンスを披露してるシーンもあるので、ファンは必見。

観終わった後爽やかな気分になれること間違いなし!
疲れた時にふと軽い気分で観るのにいい感じ。
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