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バタフライ・エフェクトのNAO141のレビュー・感想・評価

バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)
4.5
〈バタフライ・エフェクト〉
些細な事が様々な要因を引き起こし、やがては大きな事象の引き金に繋がることがあるという考え方。初期のわずかな差が未来に大きな差を生む、どんなに初期の差が小さくても様々な要因によって変化は進み、どのような結果や未来が訪れるかは誰にもわからないということを意味する。カオス理論における予測困難性を表す表現の一つである。

本作はその〈バタフライ・エフェクト〉という理論をうまく扱った作品である。主演のアシュトン・カッチャーは日本ではそれ程有名ではなく、低予算作品でもあり、本作を知らない人も多い。しかし映画好きの間ではかなり有名かつ人気な作品で、タイムトラベル系の作品としての評価はかなり高い。脚本がよく練られているように感じる。まだ観てない方はぜひ観てほしい!

我々は常に何かを選択して行動している。周りの人もそれは同じ。様々な分岐点で互いに何かを選択した結果、今の自分が在り、いま一緒にいる周囲の人とも出逢うことになったわけである。そして時に我々の些細な選択・行動が自分の未来だけでなく、周りの人のこれからの未来を変えることにもなり得る。自分の行動が周囲の人の人生を創っていくかもしれないし(未来)、誰かの行動がこれまでの自分の人生を創るきっかけになっていたのかもしれない(過去)。そう考えてみるのもなかなか楽しいよね。果たしてどこの部分が過去の自分の〈真の分岐点〉だったのか、そして未来の自分の〈真の分岐点〉となるのはどこなのか、すでにどこかの誰かの些細な行動によって、我々に影響を及ぼす分岐点という名の波がすぐそこまで来ているのかもしれない。〈バタフライ・エフェクト〉って考えれば考える程面白いなぁ。

本作はラストが最高だと言われている。自分も納得。エンディングは実は複数あるのだが、オリジナル版がやはり切なく美しい終わり方だと感じる。ハッピーエンドでありながらハッピーエンドではないようにも感じる終わり方、さて貴方ならどう感じるだろうか。

※作中で子ども達が観ているのはブラピ主演の『セブン』。これにはどんな意味があるのであろうか。主人公と奥さんが一緒にならなかったらラストはあのようにはならなかったかもしれない、ということを示唆しているのかな(…考えすぎ!?苦笑)。
※些細な出来事の積み重ねが未来に大きな影響を及ぼすという理論を軸に描かれた本作ではあるが、作中の主人公に起こる出来事はとても〈些細な〉出来事とは思えないのは自分だけであろうか笑。
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