すずき

真夜中の虹のすずきのレビュー・感想・評価

真夜中の虹(1988年製作の映画)
3.3
職場の炭鉱が閉鎖し、無職となったカスリネン。
父親が自殺する前にくれたオープンカーで、仕事を求めて街へと出るが、強盗に襲われ車以外の金品を全て奪われてしまう。
日雇いで何とか生きるカスリネンは、幼い息子を食べさせるためにいくつもの仕事を掛け持ちする女性イルメリと出会う。
彼女と恋仲になるカスリネンだったが、ある日街で金を奪った強盗を見かける。
彼を問い詰めようとした所、ナイフを向けられるカスリネン。
しかし彼からナイフを奪い取った所に運悪く警官が現れ、殺人未遂の誤解で実刑判決を食らってしまうのだが…

アキ・カウリスマキ監督の労働三部作の2作目。
現在は最新作の「枯れ葉」を加えて四部作とも言われるけど。
私は「枯れ葉」と2作目の「パラダイスの夕暮れ」の次にこれを鑑賞。
それらと似たような内容のラブロマンス・コメディかと思ったら、似ているのは、人生上手くいかない労働者の男と女、という基本設定だけ。
展開は全く異なる作品でした。
まさか脱獄モノからハードボイルドな犯罪モノになるとは…
ともすれば暗い話でもあるんだけど、カウリマスキ監督のオフビートなユーモアのセンスは全編にわたっており、やはりコメディ的な可笑しな雰囲気は共通していました。