初のカウリスマキ。家具とかの色調がとってもかわいくて目が楽しいです。でも多分、今作の特徴はそれじゃない。
行間なんか知らんがなといった感じで、全部の行動をしっかり描写する。例えば、職業斡旋会社に払う仲介料を銀行窓口でおろすシーンとか普通省きますよね。引き出し依頼してるときに何か食ってるし。
それを全員が無表情でやりきるもんだから、これってすごいレベルの高いコメディジャンルかと思ったんですけど、間違ってるのかな。間違ってたら大変すみません。幼い子どもを亡くしてるっぽい描写もあるからもしかしたら違うかも。
でもやっぱり以下のシーンは明らかに狙ってると思ったんだけどなあ。他のも観てみなきゃ。
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・とにかくずーっと「やった!やっぱダメだった!」の天丼。
・カラーテレビ買ってきたぜ!やったー。ザッピングだー。リモコンぽちぽち。もう寝よか。
・人員リストラを誰にするか?カードで決めるのを当たり前みたいに受け入れて全員すっと動くのがまずおかしい。主人公夫がクローバーの3を引いて顔がどアップになるんですが、いやどっちなん?ルール説明がないよ。ルール説明が。大富豪と同じで合ってます??
・買収したチェーン店ディスとして「駅みたいに騒がしい」まではわかる。「客がヘドのかけあいまでやる始末」は流石に嘘だろ。
・妹が受付やってるコネで無料で映画観といて、つまらんかったから金返せをその妹に言うという不条理オブ不条理。
・怒ってるのはわかるんだけどパンチが基本的にゆっくりなんだよなあ。
・基本的に無音なのだが、唐突に効果音的に入る劇伴にまったく統一感がない。冒頭のアル中コックが包丁振り回すシーンの「ジャーン!」みたいなやつから、この映画がただものではないことがわかる。
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他にも書ききれないくらいあるのだが、再生の物語としてみてもプロットはちゃんとしているという強固な土台があるからこそ突飛な演出が活きてる感じ。