コールマン渾身の一作。
理解はできないが、例えば、普段の生活においても感情的になり、声を荒げたことはある。その後、そのことが頭から離れず、自分が悪かったのか、相手にまたそのことを追求する時にどう攻めたら良いか、と考えしまう。考えすぎると相手が言っていないことまで想像し始めて、自身の中だけで話が進み、起きた出来事以上に怒りがこみ上げることがある。
オセロを演じ続けていくと、どうだろうか?こんなことになってしまうことがあるのだろうか。少なくともこの映画の中のコールマンは、リアリティに溢れていた。
ラストは神秘性まで感じさせられた。決して許されないが、才能が現実を食いつぶす話として、コールマンの美しい一作であった(ブラックスワンを想い出す)。
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47年は先に見たライフウィズファーザーのウィリアムパウエルがオスカー本命だったらしい。コールマンの逆転受賞は功労賞的だったようだか(パウエルもベテランだけど)、自分は圧倒的にコールマンのほうにやられました。
間違いなく彼の代表作。