inazuma

ミッドナイト・イン・パリのinazumaのレビュー・感想・評価

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)
4.8
憧れの黄金時代へタイムスリップ!🕰
楽しいうえに、とても勉強になるコメディ映画でした。

ヘミングウェイ、ピカソ、ダリ…
名前と職業だけ知ってて、以外のことは全く知らない超天才有名人たちがいっぱい出てきて、彼らの性格や関係性をオーウェン・ウィルソンによる興奮気味な解説付きで楽しく学ぶことができるという、なんとも贅沢な構成。
ヘミングウェイがピカソにオラついてるうえに恋人奪います宣言までしちゃってるとことか、ヘミングウェイとベルモンテが仲良く酔っ払って絡んでくるとことか、ダリとブニュエルとマン・レイが一堂に会すとことか、ずっと夢の豪華共演を見せられてる感じが良い。彼らがパリで同じ時代を共にしたことすら知らなかったもので、本作でこんな贅沢な形で知ることができて良かった。一番印象的だったのはガートルード・スタインの存在。わんぱく天才作家・芸術家たちを束ね、信頼もされている「(女性版)おやっさん」みたいな感じがカッコよくて、心底グッときた!!スタインのところにまたきていいかオーウェンが訪ねると、「いいよ、ここサロンだから」と流すところも最高でしたが、調べたら本当に作家たちが集まるサロンだったことが分かって感動。
あとエイドリアン・ブロディのダリがハマりすぎてて笑った。ウェス・アンダーソン作品でしかお目にかかったことないですが、顔面がイケメンかつザ・コメディアンな雰囲気ビンビンな希少な役者だなと思います。

純粋にSFファンタジーとしても楽しめました。タイムスリップする過程や仕組みがはっきり明示されていないところが面白い。車に乗って降りたら別の時代になってますが、元の時代に戻るときは車に乗らなくてもいいという。作り手はたぶんそういうSF的なディテールにはこだわってないのかなと取れますが、この程よく「ん?」ってなる感じが、真夜中のパリをより謎めいたものにしててプラスに機能してると感じました。しかも、そのタイムスリップする瞬間を探偵が追跡するという展開とか巧いし最高!探偵の運命やいかに!?笑

昔=良き時代に囚われた主人公が、実際に憧れの黄金時代へ降り立ったとき最終的にどう変化するのか。『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』にも通ずる重要なメッセージがアツい!
ウディ・アレン作品デビューになりますが、他の作品も絶対観ます!たまたま近くの映画館で再上映やってて暇潰しがてらの鑑賞でしたが、本当に観て良かった。本作のテーマ曲が耳にこびりついた状態で帰り夜道を歩いて帰ったのが、これまた最高すぎた(余談)
inazuma

inazuma