とり

アレキサンダーのとりのレビュー・感想・評価

アレキサンダー(2004年製作の映画)
2.5
基本的に前情報はほとんど入れずに観るんですが、今回はハリウッド娯楽大作かと思って観に行ってしまいました。
⋯もしやこれは娯楽大作ではナイ?と気付いたのが、30分くらいしてから。
序盤、じじい(アンソニー・ホプキンス)の語りが始まったところでかなり違和感はあったんですよ。
セットとか妙に安っちぃというか古くさいというか、20年くらい前のセットっぽかったし。まさかここまで駄作地味で淡々とした映画だったとは…。どうしたオリバー監督。

エジプトとかギリシャとかローマ系あたりの歴史もの大好きで、こういうのはとりあえず観に行くけど、ハズレが多いな。技術と制作費は凄まじくアップしてるのに、不思議じゃ~。
劇場内には50~60人入ってたと思うんですが、途中退場はおそらく10人程度いたのでは。
そもそも公開してまだ一週間、しかも休日なのに50人ほどしか入ってないってのも問題。
私と同様ほとんどのお客さんが、途中でスペクタクル娯楽大作ではないと気付いてショックを受けてたように感じました。

頑張って約3時間最後まで観た結果、悪くはないかなぁ⋯と自分をなぐさめるような感想で落ち着いた次第。
娯楽歴史痛快アクション活劇(期待しすぎ?)と勘違いしてた私が悪いんだし。
ちょっと納得いかない宣伝をした配給会社も悪いな。
あとは観客を無視しきったオリバー・ストーン監督もどうかと。
コリン・ファレルのコスプレ・金髪が異常なほど似合わなくてけっきょく最後まで違和感ありまくりだったのも大きい。

だいたいコリン・ファレル何歳よ?
少年時代のアレキサンダーはそりゃもう可愛らしい少年が演じてたのに、10年後だかなんだかのシーンに突如切り替わっていきなり小汚くて疲れたおじさん顔に。
エエエーその10年間にナニがあったの?って感じ。しかも「19歳」ってテロップ。どう見ても30歳位ですよ。これってもしや笑うとこか?
とにかくアレキサンダー大王についてはミスキャストだったと思いますね、私は。
コリン・ファレルの演技うんぬんとは関係なしに。

とにもかくにも編集がマズー(゚д゚)これに尽きます。
3時間費やすほど詰め込みたかったのはわかるけど、別に入れなくてもいい部分が非常に多くて(宴会とか)もっと力を入れるべきものは他にあるだろうって感じ。
そのせいもあってか、大王をとりまく側近達の個性も全然発揮されることなく、ムダに人数が多いだけと相成りました。
最後までこの周辺の人々のキャラとかつかみきれなかったのが一番残念。
そもそもつかむほどの人物の掘り下げはなかったけど。

前半一番の盛り上がり、そして作品中の一番の盛り上がりとも言えるガウガメラの戦、一瞬おおっ?と藁にもすがる思いで飛びついたけど、結局は期待するほどでもなく・・・。
作品全体的にグダグダなのでなんとか際立った感はあるけど、もうふた頑張りくらいして欲しかった部分。
肝心の戦略部分の説明をテロップで済ませるってどーよ?
ラジー賞ほぼ総ナメかと思うほどノミネートされてるし。やっぱりって気分。

たぶん「夫婦50割引」で来てたと思われる、一つあけた隣の席の老夫婦。
おばあさんは真剣に観てておじいさんは開始後わずか5分でいびき!!
その後たまに大音響のせいで我に帰ってたらしく、それなりには観てた模様。
途中ついに退席しちゃって、やっぱりな!と思ったらほどなくして戻って来た。
なんか食べ物を買いに行ってたらしい(笑)
このおじいさんの鑑賞姿勢が一番正しいと思った映画でした。

柏松竹にて(閉館)
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