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ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!のRenのレビュー・感想・評価

4.0
大好きな「ウォレスとグルミット」シリーズ唯一の長編で、なんと2006年のアカデミー賞も受賞してしまった力作!公開当時、わくわくで劇場に観に行った記憶があります。

かの『ひつじのショーン』を産み出したアードマン・アニメーションズの大人気シリーズ。
私がウォレスとグルミットを好きな理由の一つが、どこかホラー的な要素とポップさやコミカルさが絶妙なバランスで共存していること。過去作だと『~ 危機一髪!』のプレストンのデザインや演出なんかがまさにそう。

2次元のアニメーションでもダメ、CGでもダメ、クレイアニメ独特の質感が全部プラスに作用しているのが本当に素晴らしい。指紋とかが付いちゃっているのもハンドメイド感が出ていていい。今作でもその良さは健在で、バーンと画面に大映しになったのは惨殺死体!....ではなく....という緩急。絶妙にポップでシュールででも怖さもある、このバランス感覚が全てです。

基本はウォレスとグルミットが織りなすバディムービーですが、「ウサギ男」の正体を追うのはサスペンスやホラーだし、モンスターパニックものの要素もあります。さらにはアクションやラブコメなどジャンル映画の美味しいところがてんこ盛り。ウォレスの生み出す数々の発明品に心揺さぶられ、キャラクターも可愛くて魅力的で、エンターテイメントとしてとにかく優秀な作品です。
特に、セリフは無いのに目や耳の動きで完璧に感情を伝えてくれるグルミットの一挙手一投足から目が離せません。観た人が全員、賢くて可愛い〜グッズいっぱい欲しい〜となることでしょう。「これはあなたにあげるべきね」。

私は「ウォレスとグルミット」シリーズの作品は全て観ているのですが、中でもダントツでお気に入りなのが『~ ペンギンに気をつけろ!』。ニック・パークは稀代のクリエイターだと思います。
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