希望に満ちていた前作とは対照的に
静かに淡々と
ゲリラ軍の後退からゲバラの死までが刻々と描かれていく。
終わりのない戦いはドキュメンタリーのようで見ているこちらまで追いつめられていくような息苦しさがある。
戦いを追っていたカメラが、
ゲバラが捕らえられて処刑されるまではゲバラの目となる。
銃を持って向かい合う兵士に向かい撃て!と吐き捨てる。
一発で仕留められないまま床に崩れ落ち最期のうめき声だけで死を伝える。
エンドロールの途中からは音楽は消えて
静かなままスタッフロールだけが続いていく。
映画の余韻をかみしめ、
苦しそうだったラストのゲバラの呻き声が耳に残ってはいるけれど 、
心の中では戦いの日々のつかの間の時間、
美しい光の洩れる木立の中で本を読んでいるゲバラの姿を思い出していた。
見上げた眩しい空を思い浮かべたところで場内が明るくなった。
あまりに若く美しいガエルの
「モーターサイクル・ダイアリーズ」と合わせて、
あたしの中でのチェ3部作として胸に刻みました。
今はもうない静岡ミラノにて。
2009.2/10 (12) 通算1124