似太郎

ワイアット・アープの似太郎のレビュー・感想・評価

ワイアット・アープ(1994年製作の映画)
4.4
興行的にも批評的にもズッコけたケヴィン・コスナー&デニス・クエイド主演の西部劇。ラジー賞(最低リメイク賞)ノミネート作品。皆から「駄作!駄作!」と叩かれれば叩かれるほど観たくなるという、天邪鬼な自分。🌵

なんかローレンス・カスダン監督ってある意味、作家性あるじゃん? 元々ジョージ・ルーカスに雇われて『スターウォーズ』の脚本などを書いて頭角現した人なのだが…。

ダラダラ長い凡庸な大河ドラマみたいだ、というご批判もあるけどこの監督の語り口は正統派ハリウッド映画の系譜なので観ていてそれなりの安定感がある。同じコスナー主演の『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の5倍は面白い。🙄

その生真面な演出と丁寧な画作りで3時間超えの上映時間を一気に見させるカスダン監督の「小技」が炸裂している。本作のどこがそんなに「駄作」なのかぼくに教えてほしい。むしろ格調高い芸術作品のように思えてくるから不思議である。

とにかく役者陣が皆、渋くて格好良い。保安官役ワイアット・アープを演じたコスナーの全体像に迫りすぎた構成がやや難あったのか前半はたしかにモタつくものの、後半のガンファイトで一気に盛り上げてくれる。さすがは秀作『シルバラード』を撮った監督だけあって、ケレン味を感じさせる演出力だった。

クリント・イーストウッドの『許されざる者』と比べたら可哀想だが、少なくともコスナーが直接監督するよりも遥かにタイトで引き込まれる正統派のウエスタンムービーとして評価出来る作品。この監督はあくまでオーソドックス。奇を衒わない作りには大いに好感が持てる。たしかに無駄に長い作品だとは思うけど、決して嫌いではなかった。むしろ、かなり気に入ってる。🌵🤠
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