りょー

GODZILLA ゴジラのりょーのレビュー・感想・評価

GODZILLA ゴジラ(1998年製作の映画)
2.9
『インディペンデンスデイ』の監督が撮ったゴジラ。

メタファーや怪獣というより恐竜なゴジラが、眠らぬ大都会NY・マンハッタンを壊しまくった挙句、無性生殖で大量の卵を街に産みつけるという狂気の映画。

チェルノブイリの冒頭から始まり、核や白亜紀などの文脈は踏襲しつつも、ムードは完全にジュラシックなパニック映画のソレ。画の雰囲気として、CGは粗雑だけど、セットに金もかけてるし、結構良いじゃんねと思うのだけれど、やっぱり『ゴジラ』を求めて来たコアなファンの期待や設定を色々間違えてしまった感が否めない。そして、長い。

でも、大都会の出世意欲に溺れる女性記者の成長譚として、中々面白い一面も個人的にはあった。

考えてはいけない。

三つ星グルメやB級グルメ、GoogleMapの高評価店ばかりで食事をしていても、言語化できない味わいがある。気づけない喜びがある。(と思いたい)

自分の価値基準を作っていく上で、人々が絶賛する名作ばかりではなく、時に誰の評価もないモノにも着手すべし。あるいは賛否の否が圧倒的なモノにも進んで手を伸ばすべし……。

GWに1人、半ば修行僧の心持ちで鑑賞していました。

10秒ほどのシーンですが、セクハラ、パワハラ、モラハラ。ありとあらゆる最悪の上司像を総なめにしたキャラへの煽りはとても勉強になります。

あと、街中にお魚をいっぱい集めてゴジラを誘き出す作戦に「良いアイデアだ」とフランス政府の機密機関的なジャンレノが本気のトーンで言い出すのは、流石に名シーンですね。

特撮好きな友人や、何かしらのゴジラを観た友達と、ピザでも食べながらツッコミまくり、どんな違いがあったのかアルコール任せに語りまくる。

そんなテイストの映画としては、珠玉の一皿と呼んでも相違ない。否、悲しくなるので、そう呼ばせてほしい。
りょー

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