まりぼうや

ピアノ・レッスンのまりぼうやのレビュー・感想・評価

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)
4.7
学生時代結末に感動した記憶があるけど、今見返すとうっ。
複数回のピアノレッスンがマオリ族に溶け込んだ男による、エイダへのセクハラ&パワハラにしか見えず、キモ過ぎてひっそり中指を立てながら鑑賞。
エイダにとってピアノは言葉なのに、それを勝手に奪っておいて取り返したいのなら身体で返せって暴力的すぎる。
と、思ったものの
数枚の毛布と銃で先祖代々からのマオリ族の土地を奪おうとする白人の強欲さを反転させた描写なのかなと思うとすこし飲み込めるような。
エイダは思春期のように内向的で攻撃性を秘めていて傲慢で、幼い娘を自分の分身と勘違いし、その娘に自分をケアさせているようにも見える。
とにかく未熟なのだが、若い頃の自分みたいで目が離せないしその高い感受性を誰にも明け渡さない孤高さが美しい。
終わり方がとにかく文学的で好きだ。
エイダも少し成長したように見える。
まりぼうや

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