彦次郎

ブラック・サバス/恐怖!三つの顔の彦次郎のレビュー・感想・評価

3.6
3話独立した構成のオムニバスホラー。日本では60年代に『怪談』なるホラー映画が3本立てオムニバスになっておりましたがあちらは全て古典。こちらは時代性もジャンルもバラバラというのが一興です。
冒頭からオッサンがナビゲーターで登場する辺りは日本でいうところの『世にも奇妙な物語』ですが寧ろこちらのほうが元ネタでしょう。
1話目は殺人電話というサスペンスホラー。登場人物も少なく時間も短いですが幽霊とかではない怖さで1番普遍的な恐怖です。オチも良かったです。
2話目が愛する者の血を吸う吸血鬼を描いたゴシックホラー。身内が不穏な行動をとっていくあたりは不気味といえましょう。
3話目が亡くなった金持ち婦人の指輪を持ってきてしまった看護師の恐怖体験を描いた怪奇ホラーで多分本作の白眉。1人暮らしならではの孤独感と閉塞感が伝わってきます。オチがけっこう怖かったです。
他の方のレビューにもありますが、スタジオの隣の映画館には長蛇の列が出来ていたことから映画名をバンド名になったのがヘビィメタルの祖ともいえるブラックサバス。名前だけでなく”「人間は恐怖を求める」という着想を得た”(wikipediaより)ということで(自分は『パラノイド』や『悪魔の落とし子』くらいしか聴いていないけど)本作は音楽界にも影響を与えた作品といえましょう。
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