人気爆発寸前の新海節が十二分に堪能できる原石のような作品。
新海さん特有のモチーフ(天気、鳥、スポーツ、、、モノローグ!)が随所に出てきて、監督の歴史を辿る資料としても価値が高いし楽しいです。
今回は戦争ということで、トーンは比較的抑えがち。まるで夕方のようなその色合いはあまりにも切なくも美しくてオリジナリティに満ち溢れている。
構図は本当にセンスが良い。電車内の天井近くから見下ろす画なんか、本当に唸らされた。なんでこれを思いつけるんだろう。そしてこれにピンときてロケハンするセンス!やはり只者じゃないですね。アイススケートの動きなんかも自然だし、氷を蹴る際の光はアニメ特有の楽しさがある。これって普通はアイススケート知ってないと挿れようと思わないですよね。どういう才能してるんだ〜!😵
テンポ感がかなり独特なため、初見は脳をフル稼働させないときつかった。逆説的にマス層に媚びてない感じがとんがってて好印象。2回目からはすぅと入ってくるので、世界観を思いっきり楽しめます。
脚本は複雑かつ抽象的に感じました。
夢を追い続ける者と諦めた者、そして待ち続ける者の機微を描いていく。キャラの抑揚が少ないだけに、如何様にも解釈できるシーンが多々あり、何度もの鑑賞に耐えられる地力を持つ良作だ。ポジションとしてはミニシアター系かなと個人的には捉えてる。
舞台設定やプロットはかなり独特。特にメカの造形はレトロと近未来が混じっており、この辺も独特な世界観を醸し出してる。単純にこの世界に浸りたい!と思わせてくれます。
小説は映画で至らなかったところまで補完してくれると聞いたので、早速ポチってみました。こちらも非常に楽しみです。^_^