Jimmy

森の彼方にのJimmyのレビュー・感想・評価

森の彼方に(1949年製作の映画)
3.0
主演がベティ・デイヴィス&ジョセフ・コットンで、サスペンス映画……といったら、それは期待してしまうのが普通。
観てみると、ベティ・デイヴィスを「いかにも悪」として描こうとしているのだが、直接的に描き過ぎの感あり。

冒頭、「これは、悪を描いた物語である。悪がどういうものなのかを知るには、悪をたっぷり観た方が良い」とかいったテロップ表記。
そして、誰もいなくなった田舎町が映されるが、住んでいる人々はみんなが裁判所に行って、ローザという女(ベティ・デイヴィス)が殺人を犯したか否かを裁くのを見に行っていたのだった。
そして、「私は殺していない!事故だ!」と叫ぶベティ・デイヴィスに続いて、物語は5ヶ月前に遡って始まる。

田舎町で医者の夫(ジョセフ・コットン)と暮らすローザは、田舎暮らしに不満でシカゴ(都会)行きを夢見ている。
そして、ローザのワガママ放題の姿が描かれる。夫が釣りをするのも不満っぽく、街の経営者と浮気、そして射殺……など。

本作を観て、ノワール映画の【悪女】について考えてしまった。
やはり、悪女というのは、自分が行った悪事を口で言うのではなく、女の行いを観た観客が「これは、どう見ても悪いだろ…」と思わせるのが悪女だと思う。
映画『遅すぎた涙』のリザベス・スコット、『過去を逃れて』のジェーン・グリアなどなど、やはり行動で示す[悪]が際立つ😎
ベティ・デイヴィスの場合は、『月光の女』をはじめとして様々な悪女、毒婦を演じているが、本作はちょっと弱い。
本作は、『何がジェーンに起ったか?』とか『ふるえて眠れ』などより少し前の作品だが、中年女の悪女としては、自分の悪事を喋り過ぎである。
夜中の地面に横たわるシーンのベティ・デイヴィスは美しいが、作品全体としては惜しい映画だった気がする🥲
Jimmy

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