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13回の新月のある年にのchaooonのレビュー・感想・評価

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)
3.8
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品🎬
原案・製作・監督・脚本・撮影・美術・編集の全てをファスビンダー自らが担当🎞‼️

当時の伴侶であったアルミン・マイヤーの自死をきっかけに手掛けた作品で、性的マイノリティの主人公の最期の数日間を描く。

性転換手術で女性になったエルヴィラだったが、長年支えてきたパートナーの度重なる不在から自身の性の在り方も曖昧になる日々…
トランスジェンダーだけど男装して男娼を買う、というなかなか複雑な性生活🤔
近年はQueerやQuestioning等々LGBTに当てハマらない性志向の方も広く知られたりしてるけど、公開当時としては攻めた主人公像だったのだろうか…🤔

パートナーが出て行ったことをきっかけに、別れた妻子、育ての親、性転換のきっかけとなった男性、と自分の人生に深い関わりがある人たちに会いに行き立て直しを図るかと思いきや、彼自身の居場所や存在意義をどんどん見失い、八方塞がりになっていく感じが辛い…
皆んな自分の生き方があって、それに誠実に生きてるだけなんだろうけど、1人また1人とエルヴィラを閉め出しているような感じがしてしまう。

セリフの畳み掛けが凄くて、その上、映像と劇伴や背景で聴こえてくる音が調和していないカオス🌀
そのせいかセリフを理解するのにちょっと苦労した😵
牛の屠殺シーンがかなりキツい…そこに重なるエルヴィラの叫びが更に目眩を起こす…🐄🩸
とは言え映画的に破綻しているわけでなく、メッセージを逆に強めている感じ。

開いたドアが連なるように見える空間の撮り方がカッコよかったし、美術の部分でもこだわりが感じられて良かった✨
謎のあのミュージカル寸劇みたいなのはなんだったのだろうw

TVの中で喋ってる男はファスビンダー本人だったな📺
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