劇場版第17作。
「相棒」などでお馴染みの櫻井武晴氏が脚本を手がけた結果、作品の偏差値が50ぐらい一気に上がった印象。なんせあの毛利小五郎すらほぼまともな言動しかとらない異例っぷりです。
明らかに取材の成果が反映された海自周りの描写から敷衍していつもはゆるゆるな警察まで、セキュリティのロジックがとにかく万全。
そのへんの細かい説明は正直小学生に伝わるとは思えないレベルながら、序盤でふと語られる「これがリアルだよ」なるセリフがメタ的に響くほどのこだわりが全編に亘って張り巡らされている。
とはいえこのシリーズの「お約束」は当然こなさねばならず、阿笠博士のダジャレクイズぐらいはまだしも蘭と新一のラブコメ電話のくだりは確実にない方がクオリティ上がったんだろうなぁ...
ラストの伏線回収はそこそこ力技ではあるものの、なにせ細かいロジックがきっちりしてるんで全然許容できる。
ぶっちゃけちゃんとしすぎててコナンっぽさはかなり希薄で、どっちか言うとやっぱ「相棒」テイストだけど、ストーリーとしてはここまでのカタログ中、トップクラスでしょうな。