"論理"に翻弄された、強制された半生。
責めようと思えば、いくらでも責められる。
でもそうはしない。
決してお人よしなんかではない。
矜持は秘めている。
会話の一端からそれは窺えた。
「これも運命」
「生まれてきた時代が」
「いったい 私は何人なんやろ」
「戦後生まれの日本人には到底・・・・・」
意志とは無関係に帰属意識が解体された・・・・ある意味でのクレオール主義。
「十字路になりなさい」
グロリア・アンサルドゥーアの言葉を思い出した。
否応なしに"十字路"になった人々
国家から放り出されて組込まれた。
自身を見失わない事は容易ではなかった筈。
"かつて日本人"だった彼等のアイデンティティーを揺るがした責任の一端は紛れもなく日本にあるでしょ。
なのに暖かい。
何故、そんなに優しいんですか。
そこに台湾のアイデンティティーがあるかもしれない。
「泣かないでください」とカメラに向かって鄭さんの一言。
カメラのこちら側は監督。
心情を引き出すのに抜群の距離感だったと思う。
植民地学の世界で、古今東西最も成功したのが日本による台湾経営らしい。
3.11震災での台湾からの心温まる支援は日本を勇気づけてくれた。
そんな親日の"国"台湾の暗黒史は衝撃だった。
ちょっと勉強しなくては。